宮城の温泉めぐり

宮城&近県の温泉などを紹介しています。

川崎町健康福祉センター「やすらぎの湯」に行ってみました。

温泉が好きで主に宮城県内の温泉をあちこち巡っているので、ちょと宮城県近隣の温泉を紹介してみようかとブログを始めてみました。 

ということで、第1回目。

普通は超有名どころから紹介するのでしょうが、本日は、近隣の宮城県人でも知らない方も多い超穴場の温泉施設Googleマップで「温泉」と検索しても、近隣付近をかなり拡大してから検索しないと通常マップにも表示されない(笑)

川崎町健康福祉センター内にある日帰り温泉「やすらぎの湯」からから紹介してみたいと思います。

川崎町健康福祉センター

川崎町健康福祉センター

 

宮城県川崎町は、仙台市山形市をつなぐちょうど中間に位置し、蔵王連峰山麓から釜房湖までの豊かな自然にかこまれています。

川崎町町内の高台から望む蔵王連峰

川崎町町内の高台から望む蔵王連峰

 

こちらの温泉施設、川崎病院と隣接している川崎町健康福祉センターにある町営の立派な施設なのですが、宣伝気がないのか、直ぐ近くを通る国道286沿いにも温泉等の目立った看板が見当たらないため、温泉好きの私でもつい最近まで存在を知らなかったほどです。

 

しかも利用客はほとんど町内の方のみでそれほど多くなく、時間帯によっては土日午後でも空いていて湯船を1人独占状態だったりすることも。

 

建物の入口の中にいると

川崎町健康福祉センター入口

川崎町健康福祉センター入口


施設は町民のためのデイサービスやコミュニティーホール、会議室や研修室もあったりする複合施設のため、入口を入ると正面は保健福祉課の受付だったりするため、初めて利用する方は間違った施設に入っちゃったかなと思ったりもするかもしれませんが💦

 

入口にある案内板を確認すると


温泉は施設の奥にあるので、構わずどんどん奥に入ってくと

 

温泉の受付がありますので

 

券売機で入浴券を買って受付を済ませ

(なお、料金は町内者と町外者、日中と夜間で異なりますが、町外者でも日中は大人500円、小・中学生300円、小学生未満は無料とリーズナブル。 町内の方は小学生以上200円。18時以降は町外の方も200円と宮城県内の温泉施設としては破格の料金)

 

下駄箱で靴を脱いで、イザ、温泉直行ーー。

 

 

お風呂場は、週替わりで男女入れ替え制で2タイプ。

大浴場・小浴場・露天と湯船が3つある浴室場と

 

小浴場・露天と湯船が2つある浴室場があります。

 

ヒバ造りの天井も高く、洗い場も立派です。




泉質は「ナトリウムー硫化物・硫酸塩泉(低張弱アルカリ性高温泉)」源泉温度 56.4℃の立派な温泉で、加水・加温・循環・消毒などは「あり」のため、その分差し引きはありますが、肌もスベスベするさらりとした芒硝泉で、温度も入りやすく、露天はちょっとぬるめのため、日頃の疲れを癒してのんびりまったり長湯するにはちょうど良い感じの温泉で、先日ものんびりだらだら1時間も浸かってしまいました。

 

入浴後は70畳の広々和室で休憩したり、お弁当を持ち込み食事したり、昼時を除くと利用者も少ないようで、寝転んで昼寝するのも可能です。(何度か行った感じでは、昼時は食事を取ってる近所のおばちゃんグループがなんグループかいらっしゃいましたが、土日でも午後2時をすぎると利用客もほとんど見かけない感じでした)

やすらぎの間(休憩室)

やすらぎの間(休憩室)


仙台からも近く、温泉の裏手には6月中くらいにホタルが舞い、夏場小さなお子さんと水遊びできる整備された公園もあり

北川河川公園

北川河川公園


途中には釜房ダムや湖畔公園、車なら帰りに秋保温泉に寄ったりもできますので、家族連れでちょっとしたドライブがてらにお出かけするのにも良いコースです。

釜房ダム

釜房ダム

釜房湖

釜房湖

春先の釜房湖から望む雪を頂いた蔵王連峰

春先の釜房湖から望む雪を頂いた蔵王連峰

釜房大橋

釜房大橋


ところで、仙台市から川崎町を経て山形市に至る笹谷街道(現国道286号)は平家物語や今昔物語にも登場する一説には愛すべき女性や貴さを表す真珠を育む「あこや貝」の名前の由来とも言われる阿古耶姫(あこや姫)の言い伝えが所々に残っている街道でもあります。

アニメ『日本昔ばなし』などにも紹介されている阿古耶姫と名取太郎の悲恋を描いたあこや姫伝説には、いくつかのバージョンがあるようですが、平安時代の仙台国司藤原実方の娘である阿古耶姫と、山形県にある千歳山に住む老松の精・名取太郎との物語が有名でが、 

阿古耶姫は琴に優れており、彼女が夜毎に琴を奏でていると、琴を弾くたびに笛を吹く若者に出会いました。やがてふたりは恋に落ちましたが、名取太郎は自分が松の精であることを隠していました。ある日、名取川の橋が流されたため切られる運命にあったことを告げて姿を消しました。やがて松は切られ村人が運ぼうとしましたが、びくともしません。そこに駆けつけた阿古耶が別れを惜しんで老松にささやきかけると老松が動きだしました。。。

 

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笹谷街道は仙台から赤石で秋保温泉に至る二口街道と分岐し、宿場町のあった川崎町をへ笹谷峠を越えて山形城に至る路です。このお話に出てくる阿古耶松が運ばれて橋となった名取川にかかる橋は二口街道と笹谷街道が分岐する赤石にかかる赤石橋とも言われ、橋のたもとの河原は茂庭層という約1500万年前には亜熱帯の海であった地層で化石がゴロゴロ取れるんだとか。

赤石橋

笹谷街道は仙台から赤石橋で秋保温泉に至る二口街道と分岐します。

赤石橋のたもとの河原で化石取りに勤しむ皆さん

赤石橋のたもとの河原で化石取りに勤しむ皆さん

 

また、ふたりが別れ際にささやき合ったことから山形・宮城県境の峠は「ささやき峠」が転じ「笹谷(ささや)峠」と呼ばれるようになったとも言われています。

笹谷峠

笹谷峠





蔵王山麓にある川崎町の青根温泉も古くは、「あこや姫」が笹谷峠を越えて山形県内へ向かう途中で発見した温泉という言い伝えも地元では伝わってるそうで、そんな物語を辿りながら近隣を散策してみるのも面白いかもしれませんよ。

 

記事で紹介した「やすらぎの湯」付近の地図はこちら。

 

【温泉分析表データ】

やすらぎの湯 温泉分析表

やすらぎの湯 温泉分析表

 

源泉名:やすらぎの湯
泉質:ナトリウムー硫化物・硫酸塩泉(低張弱アルカリ性高温泉)
湧出地:柴田郡川崎町大字前川字北原22-5

源泉温度 56.4℃ 
使用位置 大浴場 53.6℃、小浴場 45.7℃、露天風呂 47.9℃
加水 あり
加温 あり
循環 あり
消毒 あり
入浴剤 なし

ph 8.8

温泉水1kg中 含有成分
ナトリウムイオン 833.4mg
カルシウムイオン 147.2mg
カリウムイオン 4.2mg
陽イオン 986.4mg
ふっか物イオン 14.8mg
塩化物イオン 920.1mg
硫酸イオン 641.5mg
炭酸水素イオン 45.1mg
炭酸イオン 13.8mg
陰イオン 1939.2mg
メタケイ酸 49.9mg
溶存物質総量 2692.7mg
分析年月日 平成30年11月26日